「あたし、死んじゃったの? もう! 死ぬ時までおっちょこちょいなんだから」
と死を取り扱っているのにこの軽いノリに微笑んでしまいます。
ママが急にいなくなった4歳のかんたろう君の不安や戸惑いを感じることができます。
両親も兄弟も見送った私にはこの単調な言葉のやり取りの中のママやかんたろう君やお婆ちゃんの表現しきれないものを感じます。
家族の死を受け入れるのには時間が必要です。
突然死の場合は自分自身に準備が出来てないので、同じ兄弟の死でも受け入れるスピードが違いました。
上の兄は素敵なお嫁さんを見つけていたので幸せも沢山共有出来た家庭がありました。
そして癌である兄に兄嫁さん子どもさん達も向き合ってくれていると感じていましたし感謝もしていました。
そして、私も覚悟はできていたし兄も幸せな人生だったのではと感じていたので死を受け入れることができました。
しかし、下の兄は突然死だったので受け入れるのに随分時間がかかりました。
そういえば母親の時は高校生で、死ということは理解できても日常生活の中で、母親が居ない現実が社会生活の障害となっている辛さを感じていました。
そして長い年月を得て、今はお婆ちゃんも、両親も、兄たちも私の一部として存在しているように感じます。
中でも、母親が一番近い距離だと思います。
おばけになっちゃったママの愛情を強く感じました。
ママの強い愛情を感じる絵本です。
ママがおばけになっちゃった
さく:のぶみ
出版社:講談社の創作絵本