命が受け継がれる神秘
可愛い表紙に癒し系絵本かと思って広げてみると、
この絵本は命について考えてしまう内容でした。
リネは夏休みに家族旅行に行きました。
森に囲まれたホテルです。
ママもパパも爽やかさとかすがすがしさとか感じているのに
リネの胸の奥がざわざわしています。
こうなったら折角のホテルも旅行も台無しです。
リネはベッドに入ると、お婆ちゃんの事を思い出しました。
🛏 🌳 🌰
それは、子どものころ青木の実を取って怒られたことでした。
そして、取った実を返したのですが、気の精のすすり泣きが聞こえる気がしたことでした。
🦋 🏔 🐛
今なら共感覚の強い子ですよね。
葉の揺れる音に誰かの声が聞こえてきて外に出ると、
この表紙のお婆ちゃんが立っているのです。
しかも、「あんたには、わしがみえるのかい?」
ってちょっぴり怖い感じです。
そのおばあさんに連れられて森の中に入っていくとそこに沢山の妖精たちがいました。
木の妖精に遭えるなんてなんて素敵なリネだろうと思いました。
森奥の妖精たちとの展開を今全部書きたくなってしまいます。
森の木の命はこうして引き継がれているということがわかります。
この世に生まれ育ち、自分の役割が終わるとこの世を去るという循環の中で人類も発展しています。
このリネの役割は?
そして、私がこの世に生を受けている意味は?と
自我の振り返りや今私のやるべきことについて考えることができました。
命が受け継がれる神秘を感じた絵本です。
ねっこばあばのおくりもの
作:藤真知子
絵:北見葉胡
ポプラ社